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環境問題に対する答えが書かれている本、「ノーザンライツ」

ノーザンライツ

ノーザンライツ

by星野道夫

星野道夫さん。日本で、アラスカと言えば、この人の名前が最初にでてきます。この人の本は今まで読んだことがなかったのですが、本当に良い本に出会いました。僕の中では、いきなりトップ10ぐらいに入るくらいの本です。気になったところを数箇所。

ぼくがこの村に魅かれるのは、人々がもちえた、”何かがおかしい”、”やっぱり止めようか”という、未来を見通したその力がここにあったからだ。

アラスカの新しい土地制度に唯一参加しなかったグッチンインディアンの人々に対しての星野さんの言葉です。

「ほら、ジャコウウシの群れがオオカミに襲われるとき、何層にもなって丸い円陣を組むだろう。知恵のある年寄りが外側に立ちはだかり、次々と世代の層が重なり、一番内側にいる子供を守ってゆく。その層が開いてしまったところからオオカミは入り込んで子供たちをさらってゆく。つまりオオカミとは、ドラッグ、アルコール中毒、自殺、暴力。。。今の子供たちが抱ええているさまざまな問題のことさ。セブンサークルとは、そんな願いを持ったグループのことなんだ。

大人の無責任さが、子供に危機をもたらす。今の世代の人たちが、次の世代の人たちに危機をもたらす。今、オオカミを立ち向かわなければいけないんですね。

犬ゾリがスノーモービルに変わったのは人がその豊かさを選んだのだ。ただ、豊かさとは、いつもあるパラドクスを内包しているだけなのだ。昔は良かったというノスタルジアからは何も生まれてはこない。

エスキモー(差別用語と言われていますが、星野さんも本文中で使っていますし、僕も差別用語だとは思いません)の人々の生活も変わりました。僕たち日本人の生活が変わってしまったのと同じように。環境問題を考えるとき、よく「昔は良かった」という言葉を聞きますが、その言葉からはどこにも行けないという事をしっかりと認識したいですね。ホントは、全部引用したいくらいです。人間としての強さと、大いなる自然に対する謙虚さを持った星野さんの本です。ぜひ!

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