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サラーム・パックス―バグダッドからの日記、読了

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サラーム・パックス―バグダッドからの日記

by サラーム パックス

イラク情勢が緊迫する中、一躍注目を浴びた「ブログ」があった。サラーム・パックスと名乗るそのブログの主は、彼自身の説明によれば、バグダッドに住む29歳の男性。だが彼は、我々が抱いていた”独裁者に抑圧されたイラク人”像とは大きく異なっていた。欧米の音楽や映画などを奔放に楽しみ、ネット文化を謳歌し、同性愛者であることを隠さず、言いたいことをウィットに富んだ物言いで表現するすべを知っている聡明な青年だったのだ。そんな彼のブログを、2002年9月から、米英のイラク攻撃を経た2003年6月分まで収録したのが本書である。

アメリカ軍がイラクを攻撃している時(そしてそれをTVで見ている時)、イラクに住む人々が何を考えていたのか、あんまり意識していませんでした。とても遠くの国過ぎて。
イラクの人々が本当は何を思っていたのか、それをホントに知ることが出来ます。それにしても、

I Love bjork.

とは。僕もbjorkの歌は大好きです。何も驚きません。ただ、この文章を書いた人がイラクの人だったので、私は驚いてしまいました。国際的で、イラクや中東に友達がいる人からすれば、不思議なことではないのでしょう。私が日本にどっぷり漬かっているだけなのですが、正直言って「イラクの人がbjorkを聴いている」とは思っていませんでした。
イスラムの人々は、一日に何度もお祈りをして、ラマダンには絶食して、ラクダにのっていて、あの真っ白いイスラム的な服装を着ているイメージでした。そして、何となくポップミュージックは聴かないのかもというイメージでした。
でも、この本を読んでまったくその意識が変わってしまいました。もちろん、日本人とはいろいろなところで違うことがあると思います。ただ、違わないこともホントたくさんあるのです。つまらないジョークも考えるし、好きな人もいるし、怖いと感じます。
この本を読んで、今まで漠然とイラクに対して感じていたイメージは、まったく変わりました。
また、戦争の真っ只中にいる恐怖というのを感じました。その生の声を感じました。いつ爆撃を受けるか分からない状況、いつ銃弾が打ち込まれるか分からない状況。怖いです。どんな理由があろうとも、やっぱり戦争は駄目です。それにしてもBlogはやっぱりすごいツールですよね。イラクに住む一人の人間の生の声を世界に発信できるのです。
そうそう、今年は世界で起こっている戦争について勉強することを、一つの目標にしています。ピース。

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