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エコのジレンマを越えること

囚人のジレンマ(お、小難しいな!)

いきなりですが、「囚人のジレンマ」という問題を知っていますか。ゲームの理論という数学理論の古典的な問題です。簡単に問題を説明します。ある犯罪を共同で犯した疑いで2人が警察に逮捕され、それぞれ別の独房に入れられました。つまり、それ以後、2人で相談することができません。そして、警察に尋問を受け、自白するか、自白しないかの選択に迫られます。

起こりえる状況は3パターン

起こりえる状況は3パターンあります。

?2人がともに自白しなければ、別の軽い刑で2人とも1年の刑に服する。
?1人が自白し、他方が自白しなければ、自白した方は釈放され、自白しない方は20年の刑に服する。
?2人がともに自白すれば、2人とも5年の刑に服する。

下に、分かりやすく図にしました。

+−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+
|     |自白する  |自白しない |
+−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+
|自白する |5年、5年 |釈放、20年|
+−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+
|自白しない|20年、釈放|1年、1年 |
+−−−−−+−−−−−−+−−−−−−+

さて、囚人はどうする?

さて、囚人は自白するべきでしょうか。自白しないべきでしょうか。2人にとって最良の方法は相手を信じ、自白しないことです。そうすれば、2人ともに1年で自由になることができます。しかし、パートナーがそう考えて、自白しないと確信がもてれば、自分だけ自白して直ぐに自由になることができます。また、しかし、そう考えて自分は自白し、パートナーも自白してしまえば2人ともに5年間の刑です。そうなると、2人ともに黙秘すれば良かったと後悔するでしょう。さて、囚人は自白するべきでしょうか。自白しないべきでしょうか。これが、囚人のジレンマと呼ばれる有名な問題です。この問題には解決策がありません。相手が協力的な行動をとるか、裏切り的な行動をとるかが分からないですからね。

環境問題と囚人のジレンマって、似てる

って、とても長い前振りだったのですが、環境問題も簡単化して考えると、この囚人のジレンマと同じ問題です。今、僕たちそれぞれにはエコな生活と、非エコな生活を選択することができます。さて、その選択の先にはどんな状況が待っているのでしょうか。囚人のジレンマと同じく、起こりえる状況は3パターンあります。

?多くの人がエコな生活を選択すれば、僕がこのサイトで紹介しているような簡単なエコ生活だけで環境問題が解決に向かう。
?半分の人が非エコな生活を選択し、半分の人がエコな生活を選択すれば、非エコロジストは今までどおり、悠々快適な大量消費生活を送り、エコロジストはディープエコロジーといわれる超厳しいエコ生活を送る。
?多くの人が非エコな生活を選択すれば、地球は崩壊する。

囚人のジレンマと同じく、環境問題に対する僕たちの選択にも最良な方法はありません。自分以外の人がどんな選択をするかが分からないからです。

通勤問題を例に

ひとつ分かりやすい例を考えてください。通勤問題です。通勤するには2つの選択肢があります。「自動車通勤」か「公共機関・自転車通勤」です。「自動車通勤」は楽です。「公共機関・自転車通勤」は少々の苦労があります。しかし、楽だからといって全員が自動車通勤を選ぶと、朝よく見かける交通渋滞が起こり、自動車通勤も苦痛なものになります。だからと言って、自分だけ「公共機関・自転車通勤」を選び、自動車を降りなかった奴らだけが交通渋滞の無い道を自動車通勤できるというのは腹立たしい、とも感じます。ジレンマですね。どうしますか。

僕は、エコに生活します

僕はそういうジレンマが環境問題の中にあるということを認識しています。そして「エコロジストでいこう」と発言し、エコな生活を選択しています。僕の選択はヘンでしょうか。損をしているのでしょうか。

「囚人のジレンマ」の仮定

そうそう、書き忘れていました。囚人のジレンマには仮定があります。容疑者には「名誉」という考え方が無く、唯一の関心事が私利私欲である、というものです。

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