東洋経済新報社
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いい本です。
異常な意思決定防止策
意思決定理論の入門として最適
経営に限らず意思決定をする際に、人はさまざまなバイアスを受けています。それらが体系的に(ブラックリストとして)まとめられています。経営意思決定論に関するケロッグの教科書です。私の前知識が少ないことと、頭の回転が遅いことで、読むのにかなり時間がかかりました。難しかったです。
さて、最後の章で下のように書かれています。
「単なる経験からのフィードバックではネゴシエーターに影響を与えるさまざまなバイアスを完全に取り除くことはできない」
そして、次のようにも書かれています。
愚か者は経験以外から何も学ぼうとしない
2つあわせると、「愚か者はいつまでたっても、どんなに痛い目にあってもバイアスを取り除くことはできない」ということでしょうか。そういう意味でMBA的に理論を学ぶことには意義があると思います。最近、やはり一番大切なのは「人間力」だなぁと再認識することが多いですが、最後の一歩のところで「人間力」が生きるのであって、理論や技術を持っていなければ勝負の場面にも行きつかないというのは当たり前のところだと思います。
本の中で、さまざまなバイアスのかかった状況での意思決定の事例が説明されます。客観的に考えると、絶対にしないだろうと思う意思決定も、当事者になるとやはりそうも言ってられないのかもしれません。人が陥りやすい間違いを理論的に抑えておくことで、完璧ではないけれども、より最適な意思決定をできるようになるでしょう。
最後に書かれている文章が最も面白かったので紹介します。
古い問題に新しい解答を用意するよりも、新しい問題をみつけるほうがより重要なのかもしれない。
現在のフレームに囚われず、新しいフレームを見つけることができれば、本来の目的をより簡単に達成することができるということです。確かに!