読書日記 2010-048[★★★★☆]駅再生―スペースデザインの可能性

駅再生―スペースデザインの可能性
鹿島出版会
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おすすめ度の平均: 5.0

5 ケーススタディとしての良書
5 次世代の駅つくり

駅の勉強第三弾。「駅って何?」を知りたくて読みました。大半は、駅の設計に関する内容だったので、そこらへんはさっと読みです。

面白いのは、1章の駅の定義に関するところと、3章のヨーロッパの駅事情と、最後のほうについている駅にまつわるキーワード80です。

定義は、構造的にはこういう風にまとめられるというのが、きちっと書かれていて良く分かりました。今まで漠然としていたので。よく分かったとことと言えば、ヨーロッパの駅が日本の駅と違うなぁと漠然と思っていたのですが、構造的な違いに由来することが分かりました。ヨーロッパの有名な駅(私が旅行中に利用した多くの駅)は「頭端式」といってそこで終点、行き止まりの駅です。フランクフルト中央駅みたいなイメージ。それに対して、博多駅など日本の多くの駅が「通過駅」です。そのため、ヨーロッパの駅は水平移動だけで済む駅内の移動が、日本では自由通路を渡る垂直移動が必要です。そのため、ヨーロッパの駅は土木的には単純な構造で建築的にこだわった建物を建てやすく、土木と建築が複雑に絡み合う日本の駅は建物以外にもこだわる必要があることが多いのだと思います。ちなみに、例外的に「頭端式」の日本の駅で有名なのが、上野駅。歴史的な背景もありますが、他の駅と比較して味わい深いイメージがあります。

ヨーロッパの駅事情では、次のキーワードがメモに残っています。①ホームの中に有名なレストラン「トランブルー(ブルートレイン)」のあるパリ・リヨン駅の事例、②2階部分は旅客ラウンジがあり(1等車の旅客はさらに独立したラウンジあり)、ビジネスセンターのあるフランクフルト中央駅の事例、③ドイツの駅の商業化の事例(駅改良計画に対して、投資家に投資を募り具現化させる。「駅インフラの株式化」。駅そのものを一種の商品として扱う)。①は駅を「流動空間から滞留空間」に変える事例として紹介されており、同様の例で巣鴨駅でコンコースの一部がラッシュを過ぎると休憩所になるケースが紹介されていました。駅の商業利用としては、日本の方が先行しており、ヨーロッパが日本に学ぶことが多いようです。

駅に関するキーワード80は単純に面白かったです。発想の種として。

あと、日本の鉄道が「地域分離方式」でヨーロッパは「上下分離方式」ということも知らなかったので「へー」と思いました。それ以外にも、グーパス(PUSH式の情報提供)、江ノ電ウェーブビジョン、中小企業活性化のための粋品小路、新橋駅のチップ制トイレなど知らなかったことがいろいろあって面白い本でした。写真がたくさんでイメージもわき易かったです。

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