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読書日記 2010-047[★★★☆☆]目覚めるキヨスク―東日本キヨスク全社改革の軌跡

目覚めるキヨスク―東日本キヨスク全社改革の軌跡
菅原 天意 森 洋之進 田中 宗英
中央経済社
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おすすめ度の平均: 3.0

3 改革入門書

2004年から稼動したキオスク再生計画(KIOP21)の内容です。駅の勉強第二段ということで読みました。

JR駅の片隅にこっそりと存在する年商2,300億円、潜在顧客1,600万人、従業員1万人(パート・アルバイト含む)、1700店舗の隠れた大企業の全貌です。駅の潜在的なポテンシャルのひとつは、1つでは「ショボイ」キオスクでも1700箇所の駅に横展開することで、他にはありえない横展開を達成できるところにあります。でも、それらが全部が同じプラットフォームの上で連動しないと規模の経済を達成できないので、経営的な連携が必要になります。このKIOP21プロジェクトは、それ以前では、ずっとほったらかしにされてきたキオスクのITシステムの抜本的な改善を実施するプロジェクトです。

1章でキオスクの歴史や特徴などがまとめられており、それ以降は通常のITシステムの開発プロジェクトの話です。駅の学習がメインの目的だったので、PMの部分はさっと読みました。ただ、MBAホルダ3人が著者なだけに、PMの部分も面白いです。

さて著者がキヨスクの強みを書いている部分があったのですが、すっと納得できたので紹介。

忙しい通勤・通勤客相手に迅速・的確にこなすこと自体は販売員の名人芸。<略>駅の内外で鉄道利用者が何らかの欲求を覚えたときに、遅滞なくその欲求を充足するような場所に店舗が配置され、安心して買い求められる商品やサービスが提供されることこそ、キヨスクのコア。

駅の内外というのはラチ内外のコンコースでという意味だと思います。

これ程、コンビニが発展した日本では、通勤・通学者でもあえてキオスクを利用しなくても、その途中に便利なコンビニが存在するケースが圧倒的です。それでもなおキオスクで買い物させるには、商品・サービスでコンビニのレベルを超えるか、駅を通る一瞬の時間を捉えるかしかないのだと思います。正直、前者は厳しい競争なので、後者で勝負する必要があるのだと思います。

それにしても、駅はビジネスのプラットフォームとしては、本当に面白いですね。知れば知るほど。

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